ぱぷりかの機械系技術ノート

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2019-01-01から1年間の記事一覧

『構造力学第2版<静定編><不静定編>』を読んで

だいぶ前になるが,﨑元達郎『構造力学第2版』(森北出版,1993年)を読んだ.静定編と不静定編の2編に分かれている. 静定編はとくにまあたらしいことは書いていなかったが,不静定編は類書にくらべて丁寧で,解法についての理解が深まった. 良かった点 ごく…

アンカーボルト(あと施工アンカー)について

基礎と機械をボルトで固定するためには一般にアンカーボルトを使用する. アンカーボルトには基礎施工時にあらかじめアンカーボルトを埋め込んでおく『埋め込みアンカー』と 基礎施工後にアンカーボルトを基礎に固定する『あと施工アンカー』がある. 一般に…

TWELITEとArduinoを使った測定データの収集について8(Arduino用ソースコード)

前回のハードウェア構成に対するArduinoのスケッチについて考える. このブログ上ではID=0d42のエンドデバイスのスケッチのみ示し,その他のスケッチはGitHubに上げることにする(こちら). スケッチ中に説明が入っているので,やっていることはすぐわかると…

TWELITEとArduinoを使った測定データの収集について7(中継デバイスを使用した場合)

次なる例ではエンドデバイスとセントラルデバイスの間に中継デバイスを設け,それを経由してデータを送信する. また,エンドデバイスの数を2つとする.その片方のエンドデバイスにおいて,2種類の測定値を下流側のデバイスへ送信する.(前回の例では1つのエ…

TWELITEとArduinoを使った測定データの収集について6(これまでのまとめ)

ここまでの投稿 (その2, その3, その4, その5)において, 下図のようなエンドデバイスで測定されたデータをセントラルデバイスに送信するシステムについて考えてみた. 温度データ収集システム(再掲) エンドデバイスにおいて,Arduinoがセンサーによる測…

TWELITEとArduinoを使った測定データの収集について5(セントラルデバイス)

セントラルデバイスについては,受け取った情報を表示させるという機能のみ実装する.(今後機能を拡張していく予定です) 具体的には,セントラルデバイスはUSBポートにTWELITEスティックを差したWindows PCとする. TWELITEスティックはシリアル通信アプリ(A…

TWELITEとArduinoを使った測定データの収集について4(Arduino用ソースコード)

Arduinoに書き込むスケッチは以下のようにした. #include <SoftwareSerial.h> const unsigned long MeasInterval = 30000; // 測定間隔 // 応答IDの設定 typedef enum { NORMAL_ID = 80, } ResponseId; // メッセージの長さの設定 typedef enum { TX_HEADER_LEN = 9, MAX_CONT</softwareserial.h>…

TWELITEとArduinoを使った測定データの収集について3(送受信文字列)

TWELITEとArduinoの間で送受信されるデータ(文字列)のフォーマットは以下のようにした. TWELITEとArduinoの間の文字列データフォーマット なお,TWELITEにはシリアル通信アプリ(App_Uart)を書き込んでおき,インタラクティブモードで以下の設定を行っておく…

TWELITEとArduinoを使った測定データの収集について2 (ハードウェア構成)

前回の続きとして,TWELITEとArduinoを使った測定データの収集について,具体的なシステムを考えてみたい. 例として,下図のように温度を測定するシステムを取り上げてみる. 温度データ収集システム この例では,中継デバイスを使用しない単純な構成にして…

TWELITEとArduinoを使った測定データの収集について1

ある地点で測定されたデータを,離れた別の場所で収集することを考える. その際の通信手段として,無数の方法が考えられるが,測定点から受信場所までの距離や通信するデータ量によっては, IEEE802.15.4(ZigBee)が方法の1つとなりえる. このIEEE802.15.4…

『応用力学<静力学編><動力学編>』を読んで

読んで良かったと感じた本の1つがティモシェンコ/ヤング著『応用力学』(好学社,1966年)だ.静力学編と動力学編があるがいずれもすばらしい. ●良かった点 説明が大変丁寧.力学の基礎部分(大学1年でやる部分)に関して,今までなんとなくわかった気になって…

『防振基礎の設計法』を読んで

大築志夫著『防振基礎の設計法』(オーム社,1959年)を読んだ. 良かった点 とにかく具体例が豊富なのが良い. 残念だった点 振動する側(振動源)と振動を受ける側があったとして,振動源の支持方式によって,振動を受ける側の振幅がどのようになるかというこ…

『構造計算書で学ぶ鉄骨構造』を読んで

上野嘉久著『構造計算書で学ぶ鉄骨構造』(学芸出版社,2009年)を読んだ. 良かった点 構造計算書とその説明が並行して進むため,独学で学習できる. 構造計算書の対象物として,事務所と休憩所の2種類が挙げられている.これらがそれぞれラーメン構造とブレ…

柱と梁の接合(ピン接合の具体例2)

前回に引き続きピン接合の具体例を挙げたい。 これは川の水位を測定するための設備のようだ。柱と下段の梁との接合部は下図のようになっている。 弱軸方向に関しては,H鋼柱に板を張らないといけないわけだ. 裏面は溶接できないということになるが,ガセッ…

柱と梁の接合(ピン接合の具体例)

前回の記事で述べた剛接合は定石として形状がほとんど決まっているが,ピン接合は状況によっていろいろな方法がある. たとえば,部材が等辺山形鋼の場合には,次の図のような接合部の形状が考えられる. ピン接合の例 建築研究所監修『建築設備耐震設計・施…

柱と梁の接合(剛接合とピン接合)

柱に梁を接合する場合,主に剛接合とピン接合の2種類の方式があり,これらについて述べたい. 前者は下図のような接合方法であり, 剛接合 後者は下図のような接合方法となる. ピン接合 ※図は上野著『実務から見た鉄骨構造設計』より. 剛接合の場合には接…

柱と梁の接合(柱通しと梁通し)

鉄骨構造について考える.柱と梁の接合の方法として,大きく分けて柱通しと梁通しの2種類がある. 対象の大きさにもよるが,構造物が"建築"の分野に基づいて設計されたものの場合には,柱通しが多く用いられる. 一方で,機械の分野の構造物(機械架台など)の…

耐摩耗鋳鋼の種類

私のグループで利用している仕入先では主に4種類の耐摩耗鋳鋼を製造している.私は耐摩耗鋳鋼の製造に携わっているわけではないので詳細については専門外であるが,あくまでも使用する側の人間として,それぞれの違いについてまとめてみたい 名称 説明 硬度…

オイルシールによる軸の摩耗

すべり軸受等で軸を支持する場合、潤滑剤を内部に保持するため、オイルシールが用いられる。その際、オイルシールのリップと接触する軸の表面は徐々に摩耗していく.摩耗が進行すると,最終的にはそこからオイルが漏れ出ることになる. オイルに粉じんなどが…

電子書籍のビューアについて

以前はもっぱら紙の書籍を購入していたが、去年からは頻繁に電子書籍を購入している。 購入先としては、amazon、honto、紀伊國屋の3つである。どこで買うかというのは,主に金額とビューアアプリの使いやすさによって決まると思う. 金額に関しては,書籍の…

『改訂 材料力学要論』を読んで

Timoschenko,Young,前澤成一郎訳『改訂 材料力学要論』(1964年,コロナ社)を読んだ. 良かった点 単一の部材に働く静的な力学に関して,基礎的なことが網羅されている. とにかく丁寧でイメージが湧きやすい 残念だった点 単位がSIでない(inchやpsiが使用…

『電気機器工学』を読んで

前田勉,新谷邦弘著『電気機器工学』(コロナ社,2001年)を読んだ. 良かった点 電験三種の機械科目の勉強の役に立つ 演習の解答が丁寧 残念だった点 直流機(第2章)~誘導機(第4章)の説明にくらべると同期機(第5章)の説明がちょっと少ない(ページ数も少ない) …

幅と高さの呼び寸法が同じキーについて(旧JIS規格)

以前、15x15というサイズのキーを使用する機会があった。現行のJISでは規定されていないが、旧JISで規定されていた模様。現在でも一部のメーカーで市販されている。 これらのキーは見た目的に完全に正方形の断面に見える。しかし実際には若干許容寸法が異な…