TWELITEとArduinoを使った測定データの収集について1
ある地点で測定されたデータを,離れた別の場所で収集することを考える. その際の通信手段として,無数の方法が考えられるが,測定点から受信場所までの距離や通信するデータ量によっては, IEEE802.15.4(ZigBee)が方法の1つとなりえる.
このIEEE802.15.4という規格に準拠したデバイスとしてTWELITE (モノワイヤレス製)がある. TWELITEは無線機能を内蔵したマイコンで,アナログ入力,デジタル入出力,シリアル入出力の端子を備えている.
用途に応じて数種類のプログラム(TWELITE APPS)が,メーカーによって準備されており,これをTWELITEに書き込むことで, 目的に合わせてTWELITEの機能を変更することができる.また,C言語で独自のプログラムを作ることもできる.
したがって,下図のように,TWELITEと各種センサーを直接接続することで, 測定されたデータをデータ収集側(PC等)へ送信することも不可能ではない.
しかしながら,組み込みのプロフェッショナルであればいざしらず,そうでない者がこのようなシステムを構築するということは 現実的とは言えない.その理由として,以下のことが挙げられる.
- メーカー製のプログラムを使用する場合,TWELITEにI2C接続およびSPI接続できるセンサーが限られる(少ない)こと
- メーカー製のプログラムを使用する場合,木構造のネットワークを形成しようとすると,通信経路の制御が難しいこと
- メーカー製のプログラムを使用せず,独自にプログラムを作成すれば上記問題は解決するが, その学習コストがかなり高いこと
そのため,下図の通り,TWELITEは通信装置としてのみ使用し,センサーとのやりとりや,通信経路の選択をArduinoに任せるという方式が 組み込みプログラムの専門家以外にも扱いやすく,柔軟性に富んだ方法と思われる.
次回以降で具体的なハードウェアの構成とソフトウェアの実装について考えてみたい.