ぱぷりかの機械系技術ノート

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『応用力学<静力学編><動力学編>』を読んで

読んで良かったと感じた本の1つがティモシェンコ/ヤング著『応用力学』(好学社,1966年)だ.静力学編と動力学編があるがいずれもすばらしい.

●良かった点 説明が大変丁寧.力学の基礎部分(大学1年でやる部分)に関して,今までなんとなくわかった気になっていたようなことを,正しく理解できる.

●残念だった点 動力学編では質量の単位がm/gになっているので注意が必要.ジャイロ効果について記載があるが,導出についてもう少し詳しく書いてあれば良いと感じた.

●感想 現在本屋に並んでいる本で,クレモナ線図について丁寧に説明されているのは,本書くらいではないかと思う.クレモナ線図は静定のものにしか適用できず,数値計算が一般的になってきた現在ではあまり実用的ではないかもしれないが,原理的な考えの勉強としては大変興味深い.

また,任意の点にかかる力は,別の点にかかる同じ大きさの力と偶力で置き換えることができるとの記載があった.言われてみればその通りなのだが,今まで明文化して考えたことがなく,頭が柔軟になったような気がした.