軸と回転する機械要素を締結する方法について2
前回に引き続き,軸と回転する機械要素(以下では回転体と呼ぶ)を締結する方法について考えてみる.今回はこう配キーを使用する場合について述べる.
実際私のグループでは,大抵この方法が採用される.こう配キーを使うこと長所は以下の通りである.
- 正しく施工すれば,回転体が軸から外れることはまずない
- はめあいが多少ゆるくても,問題が起こりづらい
- キー溝が長ければ,軸方向の任意の位置に回転体を固定することができる.このことは,たとえば駆動側の電動機と従動側の機械のいずれか一方をいじらずに,他方のみ交換する場合などに役に立つ
短所としては次のことが挙げられる.
- 打ち込みの加減によって締結力が異なる=施工する人によってばらつきが出る
- 軸と回転体が偏心するおそれがある(問題になることはあまりないが)
- こう配キーの場合にはキー溝の深さには注意しないといけない.キー溝が深すぎる場合にはシム板をかませる.逆に浅すぎる場合にはキーを削る.JIS規格のキー溝寸法はあてにならない
- 外し方にはコツが必要