軸と回転する機械要素を締結する方法について3
今回も軸と回転する機械要素(以下,回転体)を締結する方法について述べる.前々回と前回で述べた方法では主役がキーだった.今回は主役をテーパーとする方法について述べる.
ナットを締めることで,軸と回転体がテーパーで密着することになる.図中では平行キーが入っているが,あくまでも補助的な役割で,締結力の大半はテーパーによって担われている.この方法の特徴として以下のことが挙げられる.
- 一旦テーパーが密着して,なじんでしまうと外すのに手間がかかる
- 加工に手間がかかる
- 検査も専用のゲージを使うことが多い,という点で手間がかかる
- 大きいものの場合には中間に逃げを付けることがある
- テーパーの太い側の当たりを強く,細い側の当たりを弱くすることがある. (そうすると,軸端のナットを締めたとき,多少軸が伸びて,軸と穴が全面的に密着するんだとか.実際の効果のほどは不明)
- 軸端のナットがゆるむとテーパーにフレッティング摩耗が発生する.