『基礎振動工学』を読んで
横山隆,日野順市,芳村敏夫著『基礎振動工学 第2版』(共立出版,2015年)を読んだ.
良かった点
振動工学の入門書としては数多くの書籍が出版されている.私は以下の理由で本書を選んだ.
- 独習で読み進められる
- 演習問題の回答が載っている
- 内容が浅すぎず深すぎない
- コンピューター解法の基礎が記載されている
以上が自分の要求しているものと合致していたため,私にとっては良い点として感じた.
残念だった点
全体通して,可もなく不可もないと言った感じ.学生用の教科書であってそれ以上でもそれ以下でもない. コロナ社の『振動工学』は基礎編と応用編に分かれているが,本書は応用編がないので, 記載されていな事項(たとえば回転体の振動や自励振動など)を学ぶためには別の書籍を探す必要がある.
感想
上記の『内容が浅すぎず深すぎない』という特長は私としては非常に重要視している. 応用をやっている身としてはあまり基礎に時間をかける訳にはいかないし,かといってなおざりに済ませておく訳にはいかない. 本書でいうとラグランジュの方程式の説明は非常に簡潔でちょうどいい加減だったと思う. おそらくラグランジュの方程式の導出もやりだすと際限がなさそうだが,本書では振動の現象に対して適用するのに,必要十分な内容となっていた. 次は自励振動の本を探して,学習を進めてみることにしたい.