軸と回転する機械要素を締結する方法について1
軸と回転する機械要素(以下では回転体と呼ぶ)を締結する方法について考えてみたい.動力源はおおよそ5.5kW以上の電動機とし,取り外しや再利用ができる方法に限定する.
まず第一に平行キーを使用する場合について述べる. 平行キーによって両者の間で回転運動を伝達させることが可能となる.
しかしこのままでは回転体が軸方向に移動してしまう可能性があるため,何らかの方法でそれを阻止しなければならない. その方法としては,しまりばめ,あるいはきつめの中間ばめを用いて両者を摩擦で固定することを第一に考えるべきだろう.
以下では,上記(はめあいによる固定)に加えて付加的に用いられる,回転体の軸方向への移動を防ぐための方法を挙げてみる.
止めねじを使用する方法
負荷の状態やはめあいのしめしろの量によってはこれで問題ないかもしれないが,私のグループではほとんど使用していない.
エンドプレートを使用する方法
止めねじよりは安心感が増す.とはいえ,しめしろが少なかったり,衝撃荷重や強い軸方向荷重が加わると,エンドプレートを固定しているボルトが折損し,回転体がはずれる.
軸にねじを切り,そこにナットをつける方法
比較的大きい軸方向荷重に耐えられると思われる.前記の方法にくらべると加工の手間が増える.
[1] 石川七男・須藤敏男,クレーンの設計製図,パワー社,1985年
[2] 押田良輝,送風機設計法,オーム社,1976年