軸とプーリーのはめあい寸法について
機械設計において,軸にプーリーやスプロケット等の回転する機械要素を取り付けるという場面は頻繁に現れる.その際のはめあいについて書いてみる.
以前90kWの電動機を購入した際,メーカーにプーリーの穴加工寸法の推奨値を聞いてみた.メーカーとしては軸径φ85m6(+0.013~+0.035)に対し,穴径J7(-0.013~+0.022)を推奨していた.これが正当な方法だと思われる.
軸が最小許容寸法で,穴が最大許容寸法になっている場合,軸と穴の間に0.009mmのすきまができることになる.しかし,仮にそのような場合でも表面粗さ等の理由によってすんなり入ることはなく,ハンマーで叩いたり,あぶって取り付けることになるのだろう.
ちなみに,そのとき私のグループが実際にどうしたかというと,プーリーの穴径φ85F6(+0.036~+0.058)として,すきまばめにて取り付けを行った.理由としては,
- 現地で取り付けを行う都合上,焼きばめが困難であるため
- こう配キーを使うことにより,プーリーが外れる危険性はまずないため
ということが挙げられていた.
あれから10年近くたつが,今のところ問題は発生していない模様.