図面中の文字の大きさについて
機械製図における図面中の文字の大きさについて考えてみる.
文献[1]によると,図面中の文字高さとして次の数値が記載されている.
種類 | 高さ |
---|---|
漢字 | 3.5mm, 5mm, 7mm, 10mm |
仮名 | 2.5mm, 3.5mm, 5mm, 7mm, 10mm |
ラテン文字,数字 | 2.5mm, 3.5mm, 5mm, 7mm, 10mm |
CADで作図する際に文字の種類ごとに個別に文字高さを分けるわけにはいかないので, 漢字,仮名,ラテン文字および数字を混ぜた図面を書く場合, 現実的には3.5mmが使用できる最も小さい文字高さということになる. しかしながら,実際にこの文字高さで図面を書くと,文字が非常に大きい印象を受ける. また,込み入った部分に寸法を入れる際に不便が生じる.
また文献[2]p105によると,文字の幅は高さと同じ値にするという内容のことが記載されている. しかしながら,実際にこの文字幅で図面を書くと,文字が間延びしている印象を受ける.
上記の文献に記載されている内容はJIS規格に則ったものであるから,JIS規格の文字高さや文字幅をそのまま採用することは, 読みやすさや図面スペースの効率利用という観点から,私には適切でないように感じる.
私の場合,図面における文字の高さは以下のようにしている.
種類 | 高さ | 用途 |
---|---|---|
中 | 3.2 | 通常使用する |
大 | 4.5 | 強調が必要な場合に使用する |
また,文字の幅は文字高さの0.85倍としている.
大判の図面を縮小印刷する際にも極端に読みづらさは感じず,私としてはこれがベストだと思う.
[1] 桑田・徳岡,機械製図マニュアル,日本規格協会,2010年 [2] 桑田,機械製図マニュアル,日本規格協会,2000年